シリーズ親の老後を考える/私の取材ノートから › 八ヶ岳の麓の超パワフルな麻植佳子さんに会ってきました

2011年09月02日

八ヶ岳の麓の超パワフルな麻植佳子さんに会ってきました

 今月の「親の老後~」読んでいただけましたか?今回は信州の蓼科などで3つの小規模ホームを運営されている麻植佳子さんの登場です。麻植さんは、スウェーデンで7年間、看護師として働き、認知症ケアや看取りに携わってこられました。あちらでは、老衰の人が亡くなる場合は、在宅で、点滴もせず、心電図などのモニターもつけず、ほとんど聴診器だけで看取るのだそうです。亡くなる30分前にミサをして、本当に安らかに…。一方、日本では、死者の約85%が病院で亡くなっています。麻植さんとは約10年前に取材を通じて知り合ったのですが、スウェーデンでの安らかな看取りの話が忘れられず、今回、麻植さんに、どうしても会いたいと思いました。というのは昨年、父を看取ったとき、色々考えさせられたからです。
 父は、昔から「家で死ぬ」と言い続けていました。実際、家で死ぬための努力もしていました。87歳のとき、脳梗塞を患いましたが、リハビリをがんばって、畑仕事までできるように回復。デイケアに通うなどしながら、95歳で倒れた、あの日まで、自立して暮らしていました。でも、運悪く!デイケアから救急病院に運ばれたため、有無を言わさず延命コースに乗せられて…。入院から28日目、意識が混濁し、肩で息をするような状態の父が一瞬、目を大きく見開き、私の目を真っ直ぐに見て言ったのです。「いぬる(自分の家に帰る)」と。私も覚悟を決め、周囲を説得し、自宅に連れて帰りました。父は玄関をくぐると涙を流して喜び、母と私と川の字で寝て、4日目の朝、眠るように逝きました。でも、1ヵ月近い病院の治療は、つらかったと思います。多くの人は家で死にたいのに、日本ではそれが難しい。そのあたりを、麻植さんと話し合ってみたくて、それから大阪・東京より15℃も涼しいことに惹かれて、出かけました。写真は、再来年、新しくグループホームを開設する予定地に立つ麻植さん。蓼科と豊平の間の、自然がいっぱいで、小鳥のさえずりが心地よい、素敵な場所でした(つづきます)。八ヶ岳の麓の超パワフルな麻植佳子さんに会ってきました




Posted by setsuko58 at 05:08│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。